昨日9月16日、政府は基本方針を閣議決定し、9月20日に法を全面施行するとの
決定も行いました。パブコメで提出された意見を公表したのと同時でした。
(毎日9月20日 https://mainichi.jp/articles/20220916/k00/00m/010/064000c)
パブコメでは2,760件もの意見が寄せられましたが、行政情報の検索サイトe-Govでは
「提出意見を踏まえた案の修正の有無 無」となっています。つまりかつてない多数の
パブコメ意見があったにも関わらず、それらすべてを切って捨てたことになります。
(e-Gov https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCM1040&id=095220660&Mode=1)
決定された基本方針の内容もさることながら、基本方針の決定と施行日決定のプロ
セスそのものが民意を無視した強権的なものでした。
土地規制法廃止アクション事務局、土地規制法を廃止全国自治体議員団、沖縄・
一坪反戦地主会関東ブロックの3団体は、閣議決定がなされた16日に緊急抗議声
明を発表しました。
声明は以下のURLと添付及び本メール下の貼り付けで、閣議決定された基本方針、
施行日政令、施行令は同じURLでご覧ください。
なお、法施行日の9月20日には議員会館にて緊急記者会見を予定しています。詳し
くは追ってご案内します。
■緊急抗議声明
【声明】
パブコメ完全無視の閣議決定に抗議する
-土地規制法の「全面施行」を許さない-
本日9月16日、岸田政権は、いわゆる重要土地利用規制法(以下「土地規制法」)
に関する基本方針や政令等を閣議決定するとともに、同法の全面施行日を今月20日と
すると決定した。
土地規制法は、「重要施設」のうちの「生活関連施設」の定義も、注視区域や特別
注視区域の指定基準も、内閣総理大臣が収集する個人情報の内容や情報収集方法
も、施設機能や国境離島機能を阻害する行為の内容も、全て法律では規定せず、内閣
が決定する基本方針や政令に委ねている。法治主義に違反し、特に刑罰発動の原因と
なる「阻害行為」とは何かが不明であって罪刑法定主義に反する欠陥法である。さらには、
土地等利用状況調査の名目で思想信条にわたる調査を行うことも排除されておらず、基
地被害を受けている周辺住民が基地を継続的に監視する行為を機能阻害行為として処
罰することも排除していないのであり、憲法が保障する各種の基本的人権を侵害する憲法
違反の法律である。
政府が本年7月26日から8月24日にかけて実施した基本方針案や政令等に対する意見
募集(パブリックコメント)に対し、他に類を見ないような2760件もの多数の意見が提
出され、しかもそのほとんどは、基本方針案はいずれの点についても曖昧であることから内容
をより具体化・明確化することを厳しく求めるものであったし、この法律自体の廃止を求めるも
のもあった。これは、多くの市民が前述のようなこの法律の危険性を理解しているからである。
ところが政府は、パブリックコメントで寄せられた多くの意見を反映することなく完全に無視し、
基本方針や政令等を公表した案そのままの内容で閣議決定し、土地規制法の全面施行を
今月20日からとしたのである。このような法律施行に至る手続きは民主主義をも無視するも
のである。
私たちは本日の民意を無視した強権的な閣議決定に強く抗議する。また、政府には閣議
決定を撤回して今月20日の全面施行実施を停止すること、そして、少なくとも、基本方針や
政令等の内容をパブリックコメントで寄せられた多くの意見を最大限尊重したものに変更する
ことを強く求める。
私たちは、今後も土地規制法の危険な内容を広く市民に訴えていくとともに、地方自治
体に対しても市民の権利が侵害されないような取り組みを行うことを求め、住民監視と戦争
準備のための土地規制法を廃止するための運動を継続していく決意である。
2022年9月16日
土地規制法を廃止にする全国自治体議員団
沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック
土地規制法廃止アクション事務局
◆資料のダウンロード◆
基本方針<PDF 273KB>
施行日政令<PDF 22KB>
施行令<PDF 86KB>
土地規制法閣議決定抗議声明<PDF 119KB>